水による傷み
傷みの原因に着目するとわかるが、「水」による傷みは非常に多いと言える。
気温の低い地方では、水が凍結することにより、建物にまた別のダメージを与える。
水は凍れば個体となり、体積も若干増えるからだ。暖かい地域にあるマンションよりも、雪が降るような地域にある マンションの方が、水が原因の傷みは多いと言える。
外壁のひび割れに水が入り込み、寒いと凍結する。暖かくなれば溶けるが、また雨が降って水が入り込み、寒くなると凍結する。

これを何回か繰り返していると壁に与えるダメージは大きくなり、コンクリートが痛む。
また、排水管も、内部の水が凍結すると管が裂けたり、表面が傷んだりするのが、寒い地方の建物の傷み方である。
このような理由により、寒い地方のマンションにとって、防水は非常に大事だ。壁や天井のヒビに入り込んだ水は 凍っては溶け、凍っては溶けることを繰り返して、建物の傷みを大きくする。
バルコニーなどの防水は欠かせない。しかし防水してあるからといって安心できるとは限らない。
防水の厚さが足りないと防水機能は低下する。一般的にはウレタン防水よりもモルタル防水の方が防水機能が低い。
ウレタン防水は、塗膜防水としては、非常によく使われる代表的な方法だ。塗るだけで防水ができるから、塗装業者にとっては手軽な防水と言える。安くて手軽だが、塗膜の均一性が低いという欠点がある。
十分な防水の厚さがあっても、10年もたない場合もある。
サッシュから雨漏りが生じたというトラブル事例がある。すぐに業者に連絡を取ったものの、なかなか来てもらえなかったという。
時間がたつとともに壁の染みが広がり、見た目が悪くなってしまった。損害賠償を請求したいというもの。
バルコニーやベランダなども水にあいやすい。防水がどうなっているか、一度確認してみるべきだろう。